加計学園問題を巡り、記者会見で新たな文書が見つかったことを明らかにした松野文科相=20日午前、文科省

■萩生田氏は発言否定

 松野博一文部科学相は20日の閣議後記者会見で、政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、萩生田光一官房副長官が昨年10月に文科省幹部に発言した内容をまとめたとされる新文書が見つかったと公表した。安倍晋三首相が2018年4月開学という期限を設ける意向を示しているとの内容が含まれていたが、萩生田氏は発言を否定、「学園に関連して、首相からいかなる指示も受けたことはない」とのコメントを出した。

 内容が事実なら、昨年11月に特区諮問会議が獣医学部新設計画の方針を決定する直前に、首相の意向をくむ調整が図られていたことになるが、菅義偉官房長官も会見で「そうした発言はなかったと報告を受けている」と否定。松野氏は「萩生田氏の発言ではないものも含まれているようだ」と正確性を欠くとの認識を示した。

 一方、再調査でも新文書が見つからなかった理由を、松野氏は「民進党などから示された19文書が対象だったため」と釈明したが、国会閉会の首相会見翌日に発覚したことで批判が出そうだ。

 「10/21萩生田副長官ご発言概要」という見出しの新文書には「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24カ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」と記載。「官邸は絶対やると言っている」ともあった。

 新設予定地である愛媛県の「ハイレベルな獣医師だけでなく既存の獣医師も育成してほしい」という要望や「文科省だけがおじけづいている」と話したとされる和泉洋人首相補佐官の発言が含まれていたほか、「加計学園事務局長を(文科省の担当)課長のところに行かせる」と協議のあっせんをうかがわせる内容も記されていた。文科省はこのころ、学園側と協議したことを明らかにした。

 新文書が存在するとの19日の一部報道を受け、松野氏が同日夜に調査を指示、文科省専門教育課の共有フォルダーで見つかった。松野氏や文科省などによると昨年10月21日、萩生田氏と常盤豊高等教育局長が2人で会った際のやりとりを、同課職員が常盤氏の説明や周辺情報を踏まえ、個人の備忘録として作成、複数部署にメールで送った。

 萩生田氏はコメントで「不正確なものが作成され、強い憤りを感じる」「学園の便宜を図るために、関係省庁と具体的な調整を行うとか、指示を出すことはあり得ない」と説明した。【共同】

 ■加計学園問題 安倍晋三首相の友人が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画で、文部科学省が内閣府との計画公表前のやりとりを記録したとされる複数の文書が明らかになった。早期開学を巡り「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などの記載があったが、文科省は当初、文書の存在を確認できないとしていた。一方、前川喜平前文科事務次官が文書はあったと主張。文科省は再調査の結果、14文書を確認したと発表した。内閣府も8種類の文書を確認したが、「総理の意向」などの発言はなかったとしている。【共同】

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