■築地、観光拠点に再開発

 東京都の小池百合子知事は20日、緊急記者会見を開き、築地市場(中央区)を豊洲市場(江東区)へ移転させることを正式に表明した。築地跡地は売却せず、競りなどの市場機能を持たせ、観光拠点として5年後をめどに再開発する。昨年8月の移転延期決定以降、注目を集めた全国最大規模の市場を巡る懸案が一応の決着となった。都議選告示(23日)直前の決断は、選挙戦を有利にする狙いがあるとの指摘もあるが、対立する自民党は「判断が遅い」と批判を強めている。 

 小池知事は記者会見で、移転問題に関する基本方針を発表。会見では豊洲開場の日程は「市場関係者と話を詰めていく」と明言しなかったが、関係者によると、豊洲は追加の安全対策を実施した上で、来年5月ごろに移転する方向で調整する。ただ、具体的な計画策定はこれからで、曲折も予想される。

 小池知事は「築地の伝統やブランドを守っていく。累積する豊洲の赤字を将来の負の遺産として残してはいけない」と強調。豊洲については「安全・安心は未達成だが、安全対策を講じた上で生かすべきだ。冷凍冷蔵・加工の機能を一層強化する」と語り、将来的にITを活用した総合物流拠点を目指すとした。

 築地の跡地は当面、2020年東京五輪・パラリンピックの輸送拠点として活用し、競技会場がある臨海部から築地を通って都心部を結ぶ環状2号線を大会前までに開通させるとした。五輪の準備は加速しそうだ。

 豊洲は開場後、運営費が赤字に陥ると見込まれており、小池知事は「築地と豊洲を両立させることが最も賢い(お金の)使い道だ」とも述べ、基本方針を基に、具体的な方策を早急に詰めるよう都職員に指示した。

 ただ、豊洲整備で発行した企業債を築地の跡地を売却せずに返済する方法については「市場会計が痛むことがないよう方策を検討させている」と述べるにとどめた。【共同】

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