天野為之の歩みや経済思想を語る宮島清一氏=唐津市鏡の古代の森会館

 明治日本で経済学の第一人者だった唐津出身の天野為之(1860~1938年)を学ぶ歴史講座が18日、唐津市鏡の古代の森会館であった。郷土史に造詣が深い唐津商工会議所会頭の宮島清一さん(66)の講演に約100人が耳を傾け、洞察力に優れた天野の経済思想から現代社会のあり方を探った。

 天野は東京専門学校(後の早稲田大)の講義を基礎に、25歳で日本初の本格的な経済学書「経済原論」を刊行した。宮島さんはジャーナリストで戦後首相を務めた石橋湛山による「(単に外国の翻訳でなく)自分のもの、日本のもとして咀嚼(そしゃく)消化し、博士独自の経済学を打ち立てた」との評を紹介した。

 さらに、政治権力が介入すべき領域として、知的所有権の保護、新規事業の育成などを掲げていた天野の先見性をたたえた。自由貿易か、保護主義かの論争には「天野はガチガチの自由貿易論者ではなかった」として「極端な国際分業は地域を疲弊させる。地域に根ざした製造業を育てるべき」と持論を語った。歴史講座は鏡公民館が開いた。

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