九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し、佐賀県の山口祥義知事が、地元に同意権がないとの認識を示していることについて、全国の市区町村長や経験者でつくる「脱原発をめざす首長会議」は20日、抗議する緊急声明を発表した。会議では周辺自治体にも法的な同意権の付与を訴えており、発言の撤回を求めている。

 山口知事は14日の定例記者会見で、記者から地元同意の範囲について問われ、法的に手続きの定めがないことや資源エネルギー庁とのやりとりを踏まえ「概念として存在しないことが確認された」などと答えた。これに対し声明では「原発の安全確保において、立地自治体や周辺自治体の立場を弱める悪影響をもたらす」と強い憂慮を示した。

 原発の再稼働に関する既存の枠組みでは、周辺自治体だけでなく立地自治体にも法的な同意権はない。ただ新エネルギー基本計画には「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と明記され、これに基づいて国は県と玄海町に理解を求めており、事実上の同意権とされている。

 声明では、県と九電が原発の施設変更時に事前了解を担保する安全協定を結んでいることから「再稼働も該当すると考えるのが自然」と指摘した。県は、九電が適合性審査を申請した2013年7月の段階で対象施設が整備・着手済みだったことから「事前了解になじまない」として安全協定の対象にしていない。

 山口知事は発言に関し「国が法的に地元の範囲はないと言ったという趣旨で、お互いに何かを政策的に確認して同意したわけでもない」と説明した。周辺自治体が法的な同意権を求めていることには「今回同意権の議論までしてしまえば、再稼働と向き合う余裕がなくなる。国家的に議論する課題と思う」と述べた。

 県内で唯一、首長会議に名を連ねる江里口秀次小城市長は、声明をまとめる際、事前に事務局から連絡・相談はなかったとして「コメントする立場にない」とした。

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