原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す国内初の再処理工場「東海再処理施設」(茨城県東海村)の設備や建物を解体撤去する総費用について、作業終了までの70年間で約8千億円に上るとみられることが22日、運営主体の日本原子力研究開発機構への取材で判明した。機構は国の交付金で運営されており、廃止費用は国民負担となる。

 再処理は国の核燃料サイクル政策の中核で、東海施設は1977年に再処理を開始したが、老朽化などのため2014年に廃止が決まった。

 使用済み燃料を細断し、むき出しになった放射性物質を扱うことから、「廃止措置」では核燃料が原子炉内に集中している原発に比べて汚染が広範囲に及ぶ。このため廃止の総費用は数百億円とされる原発廃炉の10倍以上。8千億円は廃止措置の最初の10年間にかかる費用として公表されている約2170億円の4倍で、残り60年間で約5830億円が必要とした。

 核燃サイクルを巡っては、東海施設の技術を引き継いだ日本原燃の再処理工場(青森県)が完成延期を繰り返している。もう一つの中核だった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は1兆円の国費を投じたが廃炉が決まり、政策の実現が見通せないまま巨費がつぎ込まれる実態が浮かんだ。

 機構によると、廃止の総費用は03年にまとめた試算がベース。機構は総費用の精査を進めており、廃止措置計画に盛り込んで6月にも原子力規制委員会に認可申請する。

 東海施設の解体で出る廃棄物の処分方法は放射線レベルに応じて3段階。高い方から地下300メートル以下に埋める「地層処分」、地下数十メートルに埋める「中深度処分」、地表近くに埋める「コンクリートピット処分」で、対象の廃棄物量はそれぞれドラム缶約3万本分、約2万4千本分、約8万1千本分と想定している。

 廃止の手順は(1)放射性物質で汚染された機器や設備の「除染・解体」(2)解体した機器や放射性廃液をドラム缶などに入れてセメントなどで満たす「処理」(3)ドラム缶などの処分場への「輸送」(4)「埋設」-がある。【共同】

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