お笑い芸人はなわさん

■妻の半生を歌った新曲

 父の顔を知らずに育った妻の実話を基に、夫としてのメッセージを込めた新曲「お義父(とう)さん」をリリースした。ユニークな歌で人々を笑わせてきたが、従来のネタと一線を画すまじめな歌詞は、聴衆の涙を誘う。この曲もきっかけになり、6月、すてきなお父さんに贈られる今年のイエローリボン賞に選ばれた。

 「佐賀県」でふるさとの田舎ぶりを面白おかしく誇張し、ブレークしたのは14年前。ベースギターをかき鳴らし「S・A・G・A、さが~」と叫んで歌う姿は鮮烈な印象を残した。6年前、妻子が佐賀市へ移住。「地元に一生をかけて恩を返すのが、わが家のテーマ」と、東京との往復生活を続けている。

 昨年、3児の母として奮闘する妻の誕生日を祝い、結婚15周年記念を兼ねて作曲した。歌詞は「お義父さん」に対し、妻が「幸せな家庭を夢見る美しい女性になった」と報告して、いつか孫を見に来ないかと呼び掛ける内容だ。

 妻は以前、がんを患った父との面会を断っていた。だが、曲を聴いて気持ちが変わり、初めて会った。「まるで、ドラマみたいですよねえ」

 単独ステージで歌ったところ、観客が聞き入り、涙を流すのを見て、この歌の力に気付く。3月に動画投稿サイトで公開すると、1カ月もしないうちに再生数が100万回を突破。レコード会社からの提案で5月、CDを発売した。

 「諦めずに曲を作ってきて、良かった」。新境地に手応えを感じている。41歳。【共同】

=ひと 人=

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