【上海共同】中国南部を中心に鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者が急増している。1月の感染確認は単月としては過去最高の192人に達し、うち79人が死亡。一部の地域では、生きた鳥を扱う市場の閉鎖を進めるなどしているが、抜本的な対策は講じられていない。

 現在の感染ルートはほぼ全てが「鳥から人」。だが、感染者増に伴い、ウイルスが「人から人」に感染しやすい性質を持つ新型インフルエンザに変異する恐れは高まっている。新型インフルエンザ発生となれば、大多数の人が免疫を持たないため、世界的な大流行を引き起こす危険がある。

 H7N9型は2013年に中国当局が人への感染を世界で初めて確認。中国では昨年10月以降、16の省・自治区・直轄市で計約300人の感染が確認され、うち約100人が死亡した。当局者は、今冬のピークは過ぎたとしているが、今月19日にも広西チワン族自治区で新たに感染が確認された1人が死亡した。

 インフルエンザに詳しい押谷仁・東北大教授(微生物学)は感染者増加の理由を「感染した鳥が増えて人がウイルスに接触する機会が多くなった」とみる。中国当局によると、鳥の感染が最も深刻な地域では生きた鳥を扱う市場のほぼ半数で感染した鳥が見つかった。

 だが、鳥はH7N9型に感染してもほとんど死なず、感染しているかどうかが分かりにくいため、感染がどこまで広がっているか、実態を把握するのは困難という。

このエントリーをはてなブックマークに追加