海外進出についてジェトロの担当者と打ち合わせする大神の吉村正社長(後列右から2人目)=佐賀市東与賀町の大神

 ■県内41社が活用

 中小企業の海外展開を官民連携で後押しする政府主導の枠組み「新輸出大国コンソーシアム(共同体)」が発足して1年を過ぎた。企業にとって最適な支援ができる専門家を紹介する体制を整え、初年度に利用した企業は全国で4千社を超えた。このうち佐賀県内の企業は41社となっており、現地法人の立ち上げなど一定の成果を上げている。

 コンソーシアムは昨年2月に発足。政府機関や自治体、経済団体、金融機関など約1千機関が連携し、海外勤務経験がある約400人の専門家を企業に無料派遣している。事務局は日本貿易振興機構(ジェトロ)が務め、登録した企業の要望を細かく聞き取っている。

 「何から始めたらいいのか分からなかったし、本当に助かった」。支援を受けた企業の一つ、佐賀市の産業機械メーカー「大神」の吉村正社長は評価する。現在、日本車が人気を集めるパプアニューギニアで中古車販売会社を現地企業と合弁で立ち上げるプロジェクトの支援を受けている。

 輸出や会社設立に精通するジェトロの助言だけでなく、現地の市場動向に詳しい国際協力機構(JICA)の情報提供も受けた。今秋には現地企業と契約を結ぶ予定で、吉村社長は「現地には整備工場も併設する。軌道に乗れば、自動車部品の需要も見込める」と期待する。

 コンソーシアムで初年度に支援を受けた県内41社のうち、最も多かった業種が工業の19社。農産12社、卸売とサービスがそれぞれ5社で続いた。これまでは有田焼や日本酒、茶の輸出に関する相談がほとんどで、ジェトロ佐賀貿易情報センターの清水幹彦所長は「新たな支援先が出てきた点が大きい」と効果を指摘する。

 包装材の製造機械、カット野菜の輸出に関する相談などが新たに寄せられており、「専門家を派遣するだけでなく、企業の自己分析もサポートしている」と支援の幅広さを強調する。本年度は成功事例の紹介、外国人の人材育成にも力を入れていくという。

 佐賀銀行は取引先企業5社をジェトロに紹介した。同行の担当者は「各機関の連携はスムーズで、専門家につなぐスピードが上がった」と評価し、「決済や書類作成などの得意分野で企業を応援していきたい」と話す。

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