「うまいものの極致は米なのである」と、美食家で知られた北大路魯山人が書いている。「うまいからこそ毎日食べていられるわけなのである。特にうまい米は、もうそれだけで充分で、ほかになにもいらなくなってしまう」◆いかにうまい米を食べるかに情熱を傾けるのは、日本人のDNAに組み込まれた性分だろうか。電器店の店頭には、炊き方や釜の素材を工夫した炊飯器がずらりと並ぶ。世界的な和食ブームもあって、中国人観光客の“爆買い”のお目当てにもなっていた◆来年度、国による生産調整「減反」が廃止され、お米を巡る市場にも変化がありそうだ。自由化をにらんで、全国の産地から新たなブランド米が次々に生まれつつある。「金色(こんじき)の風」(岩手)、「富富富(ふふふ)」(富山)、「いちほまれ」(福井)、「ひゃくまん穀(ごく)」(石川)など、ネーミングだけでも「どんな味だろう」と興味をそそる◆わが佐賀県でも「日本の棚田百選」に選ばれた唐津市肥前町の棚田を舞台に、福岡市の百貨店「岩田屋三越」が米作りを進めている。社員が田植えから稲刈りまで携わっており、来月にも売り出す計画とか。大競争時代をどう生き抜くか。消費者の心と舌をとらえる工夫が試される時代になる◆「米」という漢字を分解すると「八」と「十八」。きょう8月18日は「米の日」である。(史)

このエントリーをはてなブックマークに追加