体外受精の際に母親本人の細胞内にあるミトコンドリアを卵子に注入する新たな手法で、4人の女性から5人の健康な子どもが生まれたと、大阪市の不妊治療クリニックが21日、発表した。カナダや欧州では250例を超す実施例があり、30人以上出生しているが、国内で子どもが生まれたのは初めて。妊娠率を高める効果があるとしているが、安全性や有効性は確かめられておらず、専門家からは疑問の声が上がっている。

 実施したのは「HORACグランフロント大阪クリニック」。治療は、卵巣から取り出した組織からエネルギーを作り出す役割のあるミトコンドリアを採取し、精子とともに卵子に注入する方法で行われた。森本義晴院長は「ミトコンドリアの注入で受精卵の質が上がり、妊娠率が向上した。効果が出るメカニズムは分かっていない」と話している。

 埼玉医大の石原理教授(産婦人科)は「この治療が出産につながった根拠は何もない。加齢とともに増える卵子の核の異常は、ミトコンドリアで改善できないはずだ」と話している。【共同】

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