澤野善文編集局長(左)からの質問に答える今村雅弘復興相=鹿島市

■大臣もう無理かと/なりわい、産業再生を

 3日に発足した第3次安倍再改造内閣で初入閣した今村雅弘復興相に、職責に対する抱負とともに、佐賀県出身の閣僚として県内の重要課題について考えを聞いた。

 -まず大臣就任の感想と、就任後、真っ先に被災地に足を運んで目にした復旧・復興の現状をどう捉えているのかを聞きたい。

 皆さんからは「おめでとう」よりも、むしろ「よかったね」と言われた。この20年間、(自民党の一時離党につながる)郵政民営化から知事選までいろいろある中で、(大臣は)もう無理ではないかと思われていて。自分自身も本当によかったなと思っている。

 復興は5年前と比べると進んできたなという印象だ。基盤整備など、今まで着々とやってきたことが姿を現してきている。ただ、これからはなりわいの再生、産業の再生をしっかりやっていかないと、せっかく基盤が整備されても人が戻れないということになる。

 -伊方原発(愛媛県)も再稼働し、原発回帰の流れになっているが、福島では原発事故による深刻な状況が続いている。佐賀は玄海原発を抱える。原発の再稼働をどう考えているのか。

 日本のエネルギー事情を考えると、原発は最小限必要だ。方向としてはそれ(再稼働)で進めるべきだと考える。ただし、福島の教訓を生かして、二重、三重の安全対策を講じて、事故が起きないようにする。万が一起きても、二の陣、三の陣できちんと防ぐということをやっていかなければならない。福島を見ると、起きた場合の対応が弱かった。

 -福島を中心に農産物や海産物などの風評被害が根深く残っている。どう対応していく考えか。

 危ないものではないということをアピールして、福島の食材を買おうという運動を常に起こすことをもっとやるべき。福島農産物ファンクラブのようなものをつくって、その人たちを核にそこから広げていくことも考えていい。ふるさと納税に似たような仕組みで福島の食材を消費しようという風にしてもいい。

 -原発事故時は30キロ圏は屋内退避との退避方針になっているが、異論も出ている。どう考えるか。

 その時の風向きや被災の状況によって違ってくる。どういう手順でどういう方向に避難させるか、ということもある。福島の例も参考にしながら、屋内退避のあり方、30キロという線引きのあり方も含めて柔軟に考える必要がある。

 -佐賀県内の課題について政府内からどう見ているのかを聞きたい。閣内に入って考え方が変わるのかどうか。佐賀空港へのオスプレイ配備計画はどうか。

 内閣としても進めているわけなので、これは(推進で)変わりない。

 -大臣が直接誘致に動くことはあるのか。

 (政府側が)今まで遠慮気味に説明してきた。だがそれでは時間も足りないから、もっと表に出て県でも経済界でもやるべきだ。サイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)と呼ばれる人たちの声も出して、その時に「こうだ」と説明が必要ならば行きますよ。

 -諫早湾干拓事業の開門問題についてはどうか。

 基本的に前から開門すべきだと言っている。閣内に入っても考えを変えることはない。ただ裁判になっているので、そこに口を挟むわけにはいかない。

 -新幹線長崎ルートに関しては、フリーゲージトレイン(FGT)を疑問視しているようだが。

 フル規格でやるべきだ。西九州全体の浮揚ということを考えるべき。長崎が受けるメリットと佐賀が受けるメリットを比較し、それに準じた負担の割合を変えてもいいんじゃないかと。FGTそのものが先が見えなくなっている。安全面に不安がある。JR西日本は乗り入れはしたくないというのが本音だ。

 -自民と農協の関係について、昨年1月の知事選以来ぎくしゃくしている。関係性は今後、どうなっていくと考えるか。

 お互いが話し合って一緒になってやっていくということが必要だ。私としては、責任を持って政府と農協がうまくいくよう仲立ちをするなど努力したい。

 -体調面で不安視する声があったが、今はどうか。

 体調は問題ない。

 いまむら・まさひろ 東京大学法学部卒。JR九州を経て、1996年の衆院選佐賀2区で初当選。2005年に郵政民営化問題で離党。同年の衆院選は無所属で4選を果たし、06年に復党。14年衆院選では比例九州で当選した。7期目。農水副大臣など歴任。佐賀市大和町。

=ひと交差点=

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