新聞を使ったフリートークを実践する大分大付属小の公開授業=5日、大分市

 教育現場で新聞を活用する「NIE」(教育に新聞を)の全国大会が今月初めに大分市で開かれ、教育行政、学校・教師、新聞社の3者が連携して成果を挙げている事例などが報告された。先進的な取り組みを参考にしながら、佐賀県でもNIEの拡充を図っていきたい。

 「大人が読む、辞書のような読み物だと思っていた」。大会のパネルディスカッションに登壇した大分市立碩田中2年の亘鍋早希さんは、新聞の印象をこう話した。児童・生徒の多くは新聞を堅く、難しいと感じているのだろう。

 亘鍋さんは、4こま漫画が面白くて新聞を読むようになり、学校のNIE活動でさらに新聞が身近になったという。「気になった記事を友だちと紹介し合い、互いの考えを知るのは楽しい。それぞれの意見を尊重するようになった」。大人に交じり、パネリストの一人として自分の考えをしっかりと伝える姿は、NIEの効果を体現しているようだった。

 大分県では2012年9月、教師が自主的に研修する「NIE実践研究会」が発足した。毎月1回、幼稚園、小中高校、大学などの教師20~40人が集まり、さまざまな分野から講師を招いてNIEについて学び合っている。

 佐賀県でも昨年9月、日本新聞協会NIEアドバイザーの光武正夫・厳木中教頭の呼び掛けで研究会が発足したが、まだ始まって1年足らずで参加者は数人にとどまっている。研究会の活動が活発になれば、NIE推進の原動力になるはずであり、継続して発展させていきたい。

 行政機関のリードで広がりを見せている自治体もある。沖縄県では、県立総合教育センターが夏休みの教職員研修にNIEの講座を設けているほか、校内研修などに講師を派遣する「出前講座」を実施。NIEに対する教師の関心を高め、指導法の習得、普及につなげている。

 東京都北区教育委員会は、教育施策として「新聞大好きプロジェクト」を進めている。教師の研修や指定校での研究、複数の新聞を読んで考えをまとめる「比べて読もう新聞コンクール」などを行い、児童・生徒の思考力、判断力、表現力を育成している。NIEを活発にしていくには、こうした行政の支援が大きな力になる。

 東京の小学校校長だった関口修司さんはパネルディスカッションの中で、社会とのつながりを育む教材として新聞の有用性を強調しながら、「新聞を広げる、ちょっと生意気な小学生を増やしたい」と述べた。佐賀県のNIEも着実に広がってはきたが、先進事例を参考にさらに取り組みを進め、自分の考えをしっかりと持てる子どもたちを育てていきたい。(大隈知彦)

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