玄海原子力発電所の再稼働について開かれた県民説明会=唐津市民会館

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し、佐賀県は21日、初めての県民説明会を唐津市民会館で開いた。エネルギー政策、適合性審査の概要、原子力防災の取り組み、原発の安全対策の4分野について、国と九電の担当者が説明し、再稼働への理解を求めた。会場からは原発の必要性や安全対策を疑問視するなど再稼働に反対や懸念を示す意見が相次ぎ、終了時間を1時間近く延ばして対応した。

 唐津市や玄海町だけでなく、県内各地から192人が参加した。原子力規制庁、資源エネルギー庁、内閣府、九電の担当者が各分野の概要や取り組みを挙げ、福島第1原発事故を教訓に「審査に通ることがゴールではない」「原子力に対する不安の声に真剣に向き合う」などと述べた。

 会場からは「熊本地震のように複数の地震に対する審査をしたのか」「福島の事故は終わっていない」など、震災を踏まえて再稼働に反対する質問が噴出し、国や九電の担当者は説明に追われた。質問時間が1人1分間と短いことへの不満や、再度の説明会開催を求める声も上がった。

 主催した佐賀県の山口祥義知事は「再稼働する、しないにかかわらず玄海原発はそこにある。時間が足りないというのはよく分かるが、われわれもプロセスを大切にしたい」と語った。

 県は県内首長にも案内を出し、参加を呼び掛けた。唐津市の峰達郎市長は「文言が専門的すぎる。一方的な説明の仕方が印象的で、住民は分からないのではないか」と感想を話した。玄海町の岸本英雄町長は「町議会特別委員会で説明を受けた内容と同じで、わざわざ出る必要はない」として欠席した。

 県は、この日の県民説明会をインターネットで中継したほか、動画も見られるようにする。今後は22日に武雄市、27日に佐賀市、28日に伊万里市、3月3日に鳥栖市で開催する。

 玄海原発3、4号機の再稼働に関しては1月18日、規制委の適合性審査に合格した。これを受け国は県と玄海町に理解を求め、山口知事は県民から広く意見を聞く姿勢を示している。

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