シニア向けスマートフォン講習会で、撮影した写真を確認する参加者

■自分のニーズに合わせて

 スマートフォンを使うシニアが急増している。一方で「興味はあるけど、操作が難しそう」「不正請求など、スマホ絡みの悪いニュースを聞く」と不安を抱き、ためらう人も。購入を考えたとき、どんな点に注意すればいいのか。シニア向けの講習会で話を聞いた。

 「ボタンを押し間違えて、変なところにつながらないかが怖くて…」。横浜市南区であったKDDI(au)の講習会。主婦の松岡啓子さん(59)は、トラブルを心配して「ガラケー(従来型携帯端末)」からスマホへの切り替えを長くためらっていた理由を明かす。だが、夫と娘が孫の写真をやりとりするのがうらやましく、購入を決めたという。

 講師の山形豊さんによると、ここ数年でスマホ利用者が急速に拡大し、「家族や友達の仲間に入りたい」と思う中高年者が増えた。全国で年200回のシニア向け講習会を開き、操作方法から安全対策まで基本的な使い方を教えている。

 購入前に押さえたいのは、家族がどの携帯会社と契約しているか。「家族割引」は各社とも割引率が高いサービスなので、この点は最も重要だ。

 次は目的。「お店に行く前に、スマホで何がしたいのか、どんな特徴の機種が必要か、“自分のニーズ”を整理しましょう」。こう話すのは、東京都内でシニア向け講習会を開くNPO法人「竹箒(たけぼうき)の会」の橋詰信子さん。準備不足で行くと、店側が売りたいスマホを薦められ、購入後に後悔することがあるという。

 では、どんな機種を選ぶべきか。よくある失敗は「子どもや孫と同じ方が教わりやすい」と同じ機種を買うこと。山形さんは「実は、身内の若い人ほど、教えるのを面倒くさがる傾向があるんです」と話す。橋詰さんも「実際に手に取り、なるべく見やすく、使いやすいと思う機種を選ぶべきです」と助言する。

 高齢者が不安がる理由の一つは、電話やメールなどで使うボタン(アイコン)が小さく、誤操作が起きやすいことだ。

 携帯各社は「BASIO(ベイシオ)」(au)、「シンプルスマホ」(ソフトバンク)といった、表示の大きいシニア向け製品を出しており、こうした機種を選ぶ手も。竹箒の会が講習で使う「らくらくスマートフォン」(NTTドコモ)は、表示が大きいだけでなく、アイコンをしっかり押さないと作動しない誤操作防止の設定もある。

 注意したいのは、スマホはガラケーよりも確実に利用料がかさむ点だ。橋詰さんは「メールと電話しかやらない人はガラケーで十分。利用状況を振り返り、本当に必要かどうか、よく考えてから購入してください」とアドバイスしている。【共同】

■「市民講座」で学ぼう

 スマートフォンのシニア向け講習会は、各地でさまざまなタイプの教室が開かれている。近所にどんな講座があるか、インターネットなどを使って調べてみたい。

 民間のパソコン教室などで有料の講座を受ける方法もあるが、公民館や生涯学習施設などで開かれる「市民講座」は無料か、比較的安い受講料で受けられるので狙い目だ。

 既に募集が終わっていたとしても、同じ施設で同様の講座が再び開かれる可能性もある。次の予定がいつごろ入りそうか、施設側に尋ねておきたい。自治体の広報誌などに講座の情報が載ることもあるので要チェックだ。【共同】

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