厚生労働省が昨年9月に実施した全国8464病院の調査で、震度6強以上を想定した耐震基準を関連施設の全建物が満たしているとしたのは約7割にとどまり、1割は基準を満たさない建物があると答えたことが22日、分かった。約2割は基準を満たしているかどうか把握していないとした。昨年の熊本地震などでは建物の損傷で診療中止に追い込まれた医療機関もあり、国は早期改修を求めている。

 前回調査でも基準を満たさない建物があると回答した病院の割合は1割で、改善されていない現状が浮かんだ。緊急時に地域住民の命を預かる医療機関の耐震化が依然として進まない背景には、耐震診断や改修工事などの費用確保の問題があり、厚労省は国の補助金制度の積極活用を求めている。

 国の調査は2008年以降、東日本大震災があった11年を除いて毎年実施されている。今回の調査は昨年9月時点の状況を、各都道府県を通じて確認した。

 その結果、「関連する全ての施設に耐震性がある」と回答したのは6050病院(71・5%)だった。

 これに対し、「一部の建物に耐震性がある」は704病院(8・3%)、「全ての建物に耐震性がない」が141病院(1・7%)で、合わせると10・0%になる。また耐震診断を実施せず「建物の耐震性が不明」としたのは1569病院(18・5%)に上った。

 一方、国は、災害時に24時間体制で傷病者を受け入れる「災害拠点病院」と「救命救急センター」について、18年度までの全建物の耐震化目標を89・0%としている。調査では、対象726施設のうち「全建物に耐震性がある」としたのは636施設で87・6%だった。「一部の建物に耐震性がある」は76施設で10・5%。【共同】

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