育児への不安や重圧から精神的不安定になる「産後うつ」を予防するため、佐賀市は新年度から、「産後2週間健診」を実施する。受診費用を市が全額助成する。産後うつは、深刻化すれば児童虐待や育児放棄につながる危険があるといい、兆候を早期に発見し、助産師らによる個別支援につなげる。健診開始日は今後医療機関と調整する。

 健診内容は広く実施されている「産後1カ月健診」と同様で、母親の身体、精神的状況、新生児の発達状況の確認など健康面に関わることのほか、授乳指導などを行う。健診の結果、支援が必要な母親には助産師や保健師が複数回訪問し、相談や育児指導で不安を和らげながら状況を見守る。専門的な治療が必要な場合は受診を勧める。

 市健康づくり課によると、産後の体調変化は10日から2週間で回復し始めるが、精神的に不安定な状態が続けば産後うつを発症するリスクが高まる。発症を予防するため、市内医療機関と連携する。

 市は2015年、約2千人を対象にアンケートで産後うつの兆候があるかどうかを調べた。回答者1281人のうち2割に当たる275人が支援が必要との結果だった。市によると、出産後の入院期間は短縮化しており、市内の病院は産後6日以内で退院する。授乳や入浴の方法などを十分に習得しないまま育児に直面することが、「母親の不安や重圧につながるケースもある」(市担当者)という。

 21日発表した新年度当初予算案に事業費約1300万円を組んだ。年間約2千人の受診を見込み、このうち支援が必要な対象者は350人とみている。市健康づくり課は「産後うつは、児童虐待にもつながる恐れがある。これまで手薄だった出産直後をケアすることで、早期発見、予防につなげたい」としている。

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