玄海原発の再稼働に向け、21日に唐津市で開かれた県民説明会は、2011年の九州電力の「やらせメール」問題発覚後、初めて大規模な会場で実施された。かつては電力会社が社員らを動員し、原発推進へ世論を誘導する舞台に利用されてきたが、今回は九電も、県も過去の教訓から慎重な対応を徹底した。会場から賛成の意見は出なかった。

 過去の反省から、九電は今回、「(県民など)参加資格がある以上、参加は個人が自由に判断すべきものであり、会社として関知しない」とした上で、「従業員や取引先に対する参加の指示や要請は一切行わないようコンプライアンス行動指針に明記し、周知徹底を図っている」と説明する。

 05年のプルサーマル導入時に唐津市で開かれた県主催討論会では、進行のシナリオを県職員の依頼で九電が作成し、動員や仕込み質問を県職員が認識していたことも明らかになっていた。説明会を担当した県新エネルギー産業課の山下宗人課長は「結論をどこかに持って行こうとは思っていない。意見を言いたい人が会場には来られるので、反対の意見ばかりになる可能性は想定していた」と語った。

 「やらせメール」問題の九電第三者委員会報告書によると、05年の討論会では、参加者の応募者千人のうち約650人が「九電関係者」(当日入場者717人)で、賛成の質問8人中7人が仕込みだった。

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