政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は15日、全国の活断層帯の長期評価について、30年以内に大きな地震が起きるリスクが高い順に「Sランク(高い)」「Aランク(やや高い)」「Zランク」「Xランク(不明)」の4段階に分けて公表する見直し案をまとめた。マグニチュード(M)7以上の地震を起こす主要活断層帯の少なくとも3割が最高の「S」に該当する見通し。

 従来は30年以内の地震発生確率を数値で示し、「高い」「やや高い」などの補足情報を付けて公表していた。ただ断層は数千年単位で動くため短期間では数値が小さくなりがちで「リスクが低い」との誤った印象を与えることがあった。4月の熊本地震を起こした断層帯についても事前の評価内容が伝わりにくかったとの批判があり、より分かりやすい表現への見直しを進めていた。

 同日開いた部会で了承。正式に決まればウェブサイトなどで個別の評価を速やかに公表する。

 見直し後の「S」は30年以内の地震発生確率が3%以上で「高い」。「A」は同0・1~3%未満で「やや高い」。「Z」は同0・1%未満だがリスクの高低は表現していない。「X」は確率が不明で地震発生を否定できないもの。

 今回は内陸や沿岸部の断層帯が対象。南海トラフなど沖合のプレート境界で起きる海溝型地震は発生間隔が短く、確率の数値が大きいため見直しには含めなかった。

 地震本部は従来、断層の過去の地震記録などから30年以内の発生確率を計算し、3%以上を「高い」、0・1%~3%未満を「やや高い」と分類。それ以外は「表記なし」としてきた。

 熊本地震で活動した布田川断層帯の一部「布田川区間」の発生確率は、地震前には「ほぼ0~0・9%」で「やや高い」と評価していた。受け取りようによっては数値が小さく見え、住民らにリスクが正しく伝わっていなかったとの指摘が地震後に出た。【共同】

=活断層長期評価=

 活断層長期評価 1995年の阪神大震災を契機に発足した政府の地震調査研究推進本部は、マグニチュード(M)7.0以上の地震を起こすと推定され、長さの目安が20キロ以上の約100の活断層を中心に「30年以内」「50年以内」といった地震の発生確率を評価してきた。変形した地形などから活断層の規模(長さ)を調べたり、断層地下の掘削によって過去の地震履歴を調べたりする。発生確率は、過去の地震間隔や、最後の地震から経過した時間などを基に計算している。

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