■半数「自社影響なし」

 日本と欧州連合(EU)が大枠合意した経済連携協定(EPA)について、佐賀県内企業の約6割が協定を「必要」と考えていることが、佐賀新聞社のアンケート調査で分かった。日本の工業製品にEUが課す関税が最終的に撤廃され、輸出拡大への期待感がうかがえる。一方で、「自社への影響はない」との回答が半数を占めており、恩恵を受ける企業は今のところ限定的と言えそうだ。

 調査は7月中旬から8月上旬にかけて、県内に本社や事業所を置く200社に実施し、93社(46・5%)が回答した。それによると、日欧EPAについて「必要と思う」と答えた企業は57・0%で、「分からない」は36・5%、「必要と思わない」は6・5%だった。

 業種別では、機械・金属、電子・電気の6割以上が「必要」と回答。日本のカラーテレビに対する関税は発効後6年目、自動車は同8年目に撤廃されることなどから、EU市場で先行する韓国企業への巻き返しを期待する。

 一方、大枠合意による自社への影響については「ない」が51・6%に上った。「プラスの影響がある」は11・8%、「マイナスの影響がある」は1・1%で、35・5%が「分からない」と回答した。

 意見としては「最終合意はこれからで、細部の決定を注視したい」(衣類卸売業)との慎重な声のほか、「どんな影響が出るのか想像がつかない」(ホテル業)といった意見があり、現段階では情報が少なく、判断に戸惑う企業も目立った。

 EPAへの対応は「検討していない」が88・0%を占め、「分からない」6・5%、「検討予定」5・4%。「検討した」「検討中」は1社もなかった。

 具体的な対応策(複数回答)については、「海外販路の開発・拡大の方法」が80・0%で最多。「売り上げや収益の影響分析」が40・0%、「関連情報収集」「競合する輸入品の影響、分析」「自社製品の優位性調査」などがいずれも20・0%で続いた。

 EPAへの見解では賛否が寄せられた。「米国の保護主義政策をけん制し、アジアでのリーダーシップ発揮につながる」(金属加工業)と評価する一方、「ワインなど安価で質が高い輸入品の流通拡大は国内製造業にとって脅威」(酒造業)、「農業への打撃は大きく、食料自給率の下落、地域間格差の拡大を招く」(小売業)との懸念や対応を求める意見もあった。

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