外国人旅行者の増加に対応し、一般の住宅を宿泊施設として活用する「民泊」の営業基準を定める新法案の全容が21日、判明した。近隣住民への悪影響を抑えるため、騒音防止に配慮するよう宿泊者に説明したり、民泊住宅と分かる標識を掲げたりすることを家主に義務付ける。法令に違反した家主には業務停止命令や事業廃止命令を出し、従わない場合は6月以下の懲役または100万円以下の罰金を科す。

 客を泊められる日数は年間180日以内とするが、生活環境の悪化が懸念される地域では、条例でさらに短縮できる。政府は来月、新法案を国会に提出する方針だ。

 政府は2020年に訪日外国人を4千万人に増やす目標を掲げているが、宿泊施設不足が指摘されている。既存住宅を活用する民泊に期待がかかる一方、周辺住民とのトラブルが増える心配もある。

 新法案では民泊住宅の家主に対し、標識掲示のほか定期的な清掃など衛生管理、宿泊者の住所や氏名、職業などを記載した名簿作成を義務付ける。住居専用地域でも営業を認めるが、騒音防止対策や、周辺住民からの苦情への適切な対応も求める。

 家主が同居しない民泊住宅は、国に登録した管理者を置き、家主と同様の義務を負わせる。無登録で管理業を営んだ場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金とする。

 民泊は昨年4月から、旅館業法に基づき「簡易宿所」の許可を取れば営業できるようになった。ただ原則として住宅地では営業できず、耐火基準などの規制が厳しいことから、無許可営業が横行している。

 新法で民泊は、保健所を設置する都道府県、政令指定都市などへの届け出制とし、参入しやすくする。【共同】

=ズーム=

 ■民泊 個人宅やマンションの空き部屋に、有料で観光客らを泊める宿泊形態。現状は旅館業法に基づく許可制だが、東京都大田区や大阪府では国家戦略特区の規制緩和を活用し、首長の認定を受ければ営業できる。主に、家主が住む家に宿泊させるホームステイ型と、家主不在で客だけが泊まるタイプの二種類の営業形式がある。外国人旅行者がインターネットの仲介サイトを通じて予約、利用することが多く、仲介業者では米大手「エアビーアンドビー」などが知られている。

このエントリーをはてなブックマークに追加