【説明者】内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当) 田中邦典氏

 原子力災害対策指針では重点的に対策を講じる範囲として、国際的な考え方に基づいてPAZ(半径5キロ圏)とUPZ(半径5~30キロ圏)を設定した。PAZでは放射性物質の放出前の避難が基本、UPZではまずは屋内退避をする。

 その後、放出に至った場合は、各地域で放射線量の測定を行い、この結果を踏まえて基準に従い対処することになる。放出された状況などに応じ、避難や屋内退避などのさらなる防護措置を講じる考え方で、できる限り放射性物質による確定的な影響を回避できる。

 UPZ外への影響が懸念される場合、まずは屋内退避をしていただくが、放出状況などを正確に伝達する連絡通報体制は、しっかりと確立する必要がある。

 安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みに対して低減させる効果が期待できる。ただ、効果の持続時間は限られるし、アレルギーや副作用も報告されているので、服用には十分注意が必要だ。

 事故時には、首相官邸に原子力災害対策本部を設置し、住民避難の基本的な指示や緊急事態宣言を出す役割を担う。現地では唐津市のオフサイトセンターに国の現地対策本部を置き、官邸からの指示に基づいて住民避難の具体的な方針を決定する。それを受け、関係市町の対策本部で防護措置の指示や避難誘導を行う。

 住民への避難伝達の方法は、防災行政無線やケーブルテレビ(CATV)、従来型のスピーカー、広報車などさまざまな手段を使う。実際は各自治体の力だけでは不十分なので、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの実動組織が総力を挙げて支援する。

 関係省庁と佐賀、長崎、福岡3県、関係市町で、広域避難計画となる「玄海地域の緊急時対応」をまとめた。昨年12月、国の原子力防災会議で了承された。

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