政府は21日、国家戦略特区諮問会議を開き、企業が革新的な技術の実証実験を自由に手掛けられるよう、現行の特区内で関連規制を一時的に停止する新制度の創設を決めた。まず自動車の自動運転や小型無人機「ドローン」を対象とし、範囲の拡大も視野に入れる。訪日客の急増に対応してサービス業で外国人の働き手を増やす案も示し、この日決めた新たな規制改革方針に明記した。

 安倍晋三首相は会議で「安全性を確保しつつ事前規制や手続きを抜本的に見直す。イノベーション(技術革新)を爆発させてほしい」と述べ、必要な措置を盛り込んだ特区法改正案を今国会に提出する方針を示した。

 創設するのは「サンドボックス制度」と呼ばれ、海外に例がある。完全自動運転の公道実験では道交法、ドローンには航空法といった規制があり、多くの関係機関への届け出などが必要。今の国家戦略特区や地方創生特区ではこうした手続きを大胆に簡素化し、自由に試せるようにする。改正特区法施行から1年以内をめどに詳細を詰める。

 特区の東京都は新制度を見据え、羽田空港周辺で自動運転の実験を準備している。この日の諮問会議には日産自動車のカルロス・ゴーン社長が出席し、特区を活用して首都圏などで実験を進める意向を示した。

 外国人の就労を増やしていくサービス業の具体的な職種は特区ごとに定める方向。大阪府と大阪市はホテルや流通、ファッション業界などでの拡大を提案している。政府は在留資格などの要件緩和を検討し、海外での資格取得などを学歴や実務経験と捉えて入国を認める運用を議論する。

 規制改革方針ではこのほか、特区に限っている都市公園内での保育所の設置を全国展開することにした。特区の措置では、地域ブランド品として焼酎を少量でも製造できるようにする規制緩和や農業分野での外国人雇用の解禁、小規模保育事業の年齢制限をなくすといった決定済みの事項も盛り込んだ。【共同】

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