文部科学省は16日までに、巨大地震が想定される南海トラフ全域で来年度から海底の断層調査を始める方針を固めた。東海・東南海・南海の三つの震源域の境界部を重点的に調べ、地震が連動する確率を予測して防災に役立てる。調査は5年間の予定で、2017年度予算の概算要求に初期費用として、100億~150億円を盛り込む。

 これまで文科省などは三つの震源域を個別に調査してきたが、東日本大震災で複数の震源域が連動して巨大地震となった教訓から、隣り合う震源域の境界部に着目した。

 調査には海洋研究開発機構や防災科学技術研究所が参加する。今年3月に就航した海洋機構の調査船「かいめい」から海底に音波を照射して、反射波から海底下にある断層の位置や長さ、方向を特定。その広がりを立体的に把握し、コンピューターのシミュレーションなどで連動する確率を推定する。三つのうち最も西にある南海地震の震源域の西側には日向灘地震で想定される震源域もあり、これらの境界部も調べる。

 南海トラフは東海沖から九州沖に延びる溝状の海底地形で、海側のプレート(岩板)が陸側のプレートの下に沈み込み、ひずみが蓄積。過去にマグニチュード(M)8級の地震が繰り返し発生している。【共同】

=ズーム 南海トラフ巨大地震=

 南海トラフ巨大地震 日本列島が乗っている陸側のプレート(岩板)に、フィリピン海プレートが沈み込む南海トラフ沿いでは、蓄積したひずみが解放される大地震が100~200年間隔で発生している。東側から東海、東南海、南海の三つの震源域が想定されており、1707年に発生したマグニチュード(M)8.6の宝永地震ではすべてが連動した。M9級の巨大地震が懸念されており、政府の被害想定では大津波などにより最大で死者33万2000人、全壊・焼失250万棟、経済的被害220兆円に上る。

このエントリーをはてなブックマークに追加