政府は16日までに、多数の中国公船が沖縄県・尖閣諸島周辺を航行した問題を受け、当時の状況を説明した資料を外務省などのホームページ(HP)に掲載した。中国が南シナ海で拠点化を進めるスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近と比べ「はるかに多くの公船が展開している」と強調。英語版も作成した。尖閣の情勢は南シナ海と並ぶほど深刻だとの印象を内外に与える狙いがある。

 HP資料は、国際社会の注目を集めるスカボロー礁に通常展開する中国公船に関し「4、5隻と言われる」と指摘。一方、尖閣では8月に入り最大で15隻の中国公船が同時に接続水域に集結したとして、厳しい現状をアピールした。9日に公船10隻と漁船25隻(いずれも延べ数)が領海侵入したことも明らかにした。

 中国政府への抗議については、公船と漁船が同時に領海侵入した5日から、事態が沈静化した10日までに計30回申し入れたと説明。内訳は、岸田文雄外相や杉山晋輔外務事務次官によるハイレベルでの申し入れから、外務省局長より格下の参事官レベルで伝達したケースまでさまざまだ。

 与党内には「宣伝戦で中国に負けている」(自民党中堅)との声が根強い。今回の政府の対応には、こうした国内事情も絡んでいるとみられる。【共同】

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