記者会見を開き、玄海原発3、4号機の再稼働への同意を表明した山口祥義知事=24日午後、佐賀県庁

 佐賀県の山口祥義知事は24日、県庁で記者会見し、九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し「原子力発電に頼らない社会を目指すという強い思いを持ちつつ、現状ではやむを得ない」と同意を表明した。これで地元手続きは終了した。原子力規制委員会による工事計画などの審査が残っており、再稼働は今秋以降になる見通し。

 東京電力福島第1原発事故後、新規制基準に基づく審査に合格した原発で立地自治体の知事が再稼働に同意したのは、九電川内原発1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き4例目。玄海3号機は、使用済み核燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電に対応しており、プルサーマル発電は高浜、伊方に次ぐ3例目となる。

 会見で山口知事は、福島の事故を挙げて「原子力発電に対して大きな不安や疑問を持つことは当然であり、自然なこと」としながらも、「再生可能エネルギーは安定供給に課題があり、エネルギー自給の観点で考えると一定程度頼らざるを得ない」と説明した。

 判断する過程では、再稼働の先行県を参考にしつつも、30キロ圏だけでなく県内全域を対象にした県民説明会開催、県内全市町長からの意見聴取など「独自の取り組みを丁寧に慎重に進めてきた」と強調した。その上で県民からの意見や国、事業者から示された方針、再稼働「容認」の県議会決議などを勘案し、「熟慮に熟慮を重ねた」と語った。

 世耕弘成経産相には記者会見の前に電話で同意を伝え、九電の瓜生道明社長には副島良彦副知事が連絡した。

 再稼働を巡っては、九電が13年7月に規制委に適合性審査を申請し今年1月18日に合格、同20日に国が県と玄海町に再稼働の政府方針を伝達した。立地自治体の玄海町は3月7日に岸本英雄町長が同意を表明、県議会は4月13日に再稼働「容認」の決議を可決していた。

 山口知事は就任来、広く意見を聴くプロセスを重視しつつ、安全性の確認と住民の理解を前提に「再稼働はやむを得ない」という姿勢を示していた。

 今後の手続きは、設備の詳細設計をまとめた「工事計画」、運用管理体制を定めた「保安規定」に関する規制委による審査が残っており、認可されれば使用前検査を経て再稼働に至る。

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