NPO「日本IDDMネットワーク」(井上龍夫理事長、佐賀市)は、1型糖尿病の根治につながる研究に1千万円を助成する予定だった賞について、「該当者なし」と発表した。公募でいったん決定したものの、受賞者が「患者団体から多額の資金を受け取ることが製薬業界で禁止されている」として辞退したという。NPOは公募の在り方を含めて対応を再検討する。

 この賞は「山田和彦賞」で、2014年に1型糖尿病で亡くなった山田和彦さん=名古屋市=の遺族からの寄付金を原資に創設した。自薦と他薦で合わせて6件の応募があり、8月下旬に専門家やNPOの役員らで審査し、受賞者を決定したが、9月になって辞退の申し入れがあった。

 NPOによると、賞の該当者は民間の製薬会社に所属し、「製薬業界のガイドラインで、患者団体から多額の資金を受け取ることが禁止されている」と辞退理由を説明したという。井上理事長は「企業と利害関係者の透明性を確保するためだとは思うが、辞退は非常に残念」と話した。

 NPOは「今後も行政や製薬業界、研究機関と協働し、不治の病を克服できるように取り組みを続けたい」と強調するが、賞の今後は「白紙の状態」と話している。

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