玄海原発の再稼働に同意を表明した知事との面会を求め、佐賀県職員に詰め寄る市民団体のメンバーら=24日午後、佐賀市の県庁

 福島第1原発事故を教訓にした「再稼働ノー」の訴えは、最後まで届かなかった。山口祥義佐賀県知事が玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に同意を表明した24日、原発に反対する市民団体は「住民の不安を無視した暴挙」と怒りの声を上げた。

 県内外の約50人が記者会見の2時間前に県庁に集まり、同意しないように求める文書を県の担当者に手渡した。福岡市の市民団体の工藤逸男代表(63)は「佐賀県外の声が反映されていない。多くの人が抱く『脱原発』の願いもないがしろにしている」と憤った。

 知事の会見の様子は庁内のテレビで確認し、「うそつき」「言い訳ばかり」と不満をぶつけた。玄海原発周辺の住民でつくる反原発グループの成冨忠良事務局長(75)は「事故が起きないか、避難計画は大丈夫かという不安は、地元では原発の賛否を問わず誰もが持つ感情なのに、知事は切り捨てている」と批判した。

 会見後、約10人が抗議文を手渡そうと知事室の前で面会を要望したが、職員や警備員に制止された。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表(65)は「説明の中身は空っぽ。責任は国や九電に投げ、『県民の安全が第一』と言うのは軽々しい。疑問の声に答えないまま同意したのは許されない」と非難した。

 「原発なくそう!九州玄海訴訟」の長谷川照原告団長(78)は「政治が住民の思いを議論する場になっていないのが深刻な問題。心配していても口にできない人は多い。気持ちをもっと推し量るべき」と述べた。

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