佐賀県民の代表である山口祥義知事が「熟慮に熟慮を重ねた」として、玄海原発3、4号機の再稼働に同意した。今後、原発が生み出す電力の恩恵を受けて暮らすことになる一方、再び動き出すことでリスクは今まで以上に高まる。より一層の覚悟が広範囲の住民にも求められることになった。

 知事はゴーサインを出したが、課題は山積したままだ。県内外の住民や市民団体だけでなく、首長からも避難計画の実効性を疑問視する声が上がる。原発にたまり続ける使用済み核燃料の問題も、処分できるめどは立っていない。原子力規制委員会が九電に求めた安全対策も、全てが整っているわけではない。

 半径30キロ圏にある8市町のうち伊万里市など4市の首長が反対する。知事も「自然なことだと思う」と受け止めた上で、安全性を「真っすぐに考えた」と決断への理解を求めた。

 住民の不安の根源にあるのは、福島第1原発事故や数々の不祥事だ。被害の甚大さだけでなく、「安全神話」を作り出した国や事業者への不信感はなお根強い。

 九電や県も、やらせメール問題など、なれ合いが指摘された経緯がある。

 知事がいう何十年にも及び原発と向き合う現実が横たわる。決して風化させず、不信を招いた体質を問い続けなければならない。(林大介)

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