「農作物の流通拡大に貢献したい」と抱負を語る入江康雄社長(前列左)ら「炭化」の社員たち=佐賀市富士町

輸送調査で使われる鮮度保持剤。県産の竹炭と茶葉を主原料にしている

 農産物の長距離輸送への活用を見据え、佐賀市富士町の「炭化」(入江康雄社長)が開発した鮮度保持剤が、国際協力機構(JICA)がベトナムで行う委託支援事業に採択された。野菜や果物を生産地から都市部へトラックなどで輸送する際に搭載。約7カ月かけて効果を確かめ、政府開発援助(ODA)での活用の是非を探る。

 鮮度保持剤は、県内の放置竹林を活用した竹炭や、廃棄される嬉野の茶葉などを使って開発。農産物の鮮度劣化の原因となるエチレンガスなどを吸着する。

 JICAによると、ベトナムでは日本などの海外支援により、イチゴなど農作物の生産性が向上しているものの、輸送技術の開発が遅れ気味。都市部に着くまでに傷んで廃棄される割合が高いという。国策で進めている農業振興の足かせになっており、保持剤による流通拡大の可能性を探る。

 調査は、佐賀大農学部の田中宗浩教授の監修を受けて9月にもスタート。生産地から南に240キロのホーチミンや2千キロ近く離れた首都ハノイまで輸送する。

 最終的には、エチレンガスを光触媒で分解する自社装置を採用してもらうのが目標。冷蔵輸送よりも低コストで農作物の傷みが少なく、国内でも商社などと実証実験を重ねており、入江社長(67)は「生産者と消費者の暮らしが良くなるよう、廃棄ロスの低減に貢献したい」と抱負を語る。

 同事業は、JICAが中小企業の海外展開支援を目的に4年前から実施。委託費として最大5千万円を採択企業に補助する。県内ではこのほか、地盤改良機械製造のワイビーエム(唐津市)がインドネシアでの事業で採択されている。

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