2009年に改正薬事法が施行されてから、医薬品がより手軽に購入できるようになり、薬局やドラッグストアのほか、スーパーなどでも販売されるようになりました。また、インターネットでも注文できるため、お店に行く手間も省けるようになりました。恩恵を受けている人は多いと思います。

 しかし、先日驚くことがありました。日本だと医師の処方箋がなければ手に入らないはずの薬を持っていた患者さんがいたのです。聞くと「インターネットで購入した」とのこと。さらに調べてみると、個人輸入代行業者を通じて購入されていたようでした。

 このような業者はたくさんあり、「個人輸入も輸入代行も違法ではないので安心です」という宣伝で、多くの利用者を獲得しているようです。扱っている薬は多岐にわたり、抗生物質や利尿剤、睡眠薬などもありました。

 ただし、薬の使い方については店頭で購入したときのような薬剤師の説明も聞けません。箱に書かれた用法だけが使用の目安で、購入者や個人の知識、良識に任せられているのが実態です。

 また、国内で「医薬品医療機器等法」を順守して販売されている医薬品については、適正に使用したにもかかわらず健康被害が生じた場合、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済の対象となりません。

 医薬品などの個人輸入に関しては、このほかにも多くの問題があり、メリットよりも危険性が大きく、そうした外国製品によって不利益を被るのは、購入・使用する人自身やその家族であることに留意してくださいと、厚生労働省も警鐘を鳴らしています。法に触れる、触れないではなく、皆さんの健康を守るためには、お勧めできる方法ではないと思っています。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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