■「準要保護」世帯…高校進学準備金

■養育困難の兆候…伴走型サポート

 武雄市は新年度、生活保護世帯に近い状態にある「準要保護」世帯の中学3年生への高校進学等準備金制度を新設する。受験料や制服購入など進学前の支出増に対応できるよう12月に一人当たり2万円を支給する。養育困難の兆候が見える世帯には、保健師らが進級進学後も切れ目なく“伴走支援”するコーディネーター制度を設け、子どもの貧困対策を本格スタートさせる。

 小中学生や保護者を対象に昨秋実施した県内初の生活実態調査の結果を分析し、必要な対策のうち重要度の高い支援策を予算化した。

 高校進学等準備金は、実態調査で制服や自転車など入学準備に費用がかかる実情を把握し、受験料も考慮して12月支給にした。高校以外の進路準備にも活用できる。支給は65人程度を見込み、130万円を当初予算案に組んだ。市によると、他自治体に中学卒業祝い金制度はあるが、進学準備金制度は全国初。生活保護を受ける「要保護」世帯には国の支援制度がある。

 準要保護の小中学校進学の準備金は要保護と同額に増やし、小学校は現行2万470円を4万600円に、中学校は2万3550円を4万7400円にする。予算額は267万円。

 貧困が顕在化する前から支援する「コーディネーター」も新たに設ける。未就学児と接する機会の多い保健師、学校の事情が分かる教員OBが支援、相談にあたる。福祉事務所など関係機関とも連携。幼少期から高校まで、進級進学などの環境変化にも途切れなく同じ人が対応を続ける「伴走型支援」を目指す。事業費は228万円を見込む。

 このほか、高校進学に向けた保護者の不安材料は、「学力」が34%で最も高かったことを受け、市立5中学に、教材費だけで補充学習を受けられる年間50時間の放課後学習支援事業も始める。教員OBや大学生などへの委託費262万円。

 市は昨年4月、こどもの貧困対策課を新設、5年計画で対策を進めている。生活実態調査では、子どもの養育について「困難度が高い」とする世帯は19%という分析結果をまとめた。

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