復元する朝鮮通信使船の模型=22日、韓国・霊岩(共同)

 【霊岩共同】朝鮮王朝が江戸幕府に派遣した外交使節「朝鮮通信使」の木造船の復元計画を進める韓国の国立海洋文化財研究所は23日までに、南西部の全羅南道霊岩で船の建造を開始した。韓国伝統船の建造技術を保存、継承するとともに、日韓交流にも活用したい考え。来年秋に完成させ、条件が整えば日本への航海も検討する。22日に安全祈願祭を行った。

 研究所によると、復元船は韓国に残る複数の文献を基に設計。数十回にわたり修正を重ねる中、佐賀県立名護屋城博物館が所蔵する当時の通信使船の絵なども参考にした。復元船は全長約35メートル、幅約9メートルで、エンジンを搭載、旅客船として登録する。

 完成後は南西部の木浦沿岸で試運航を行い、2019年春には毎春恒例の交流イベント「朝鮮通信使祭り」が開かれる南東部の釜山までの航行を試みる。安全性が確認され、日本側の協力も得られれば、長崎県対馬市など通信使船の寄港地への航海も実現させたいとしている。

 通信使を巡っては、日韓の民間団体が当時の関連資料について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」への年内登録を目指す。日本側では長崎など12都府県の資料が対象で、各地で期待が高まっている。研究所の李貴永所長は22日「登録に向け関心を高める一助になれば」と話した。

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