ユーカンピアの発生を予測し、ノリの色落ち被害の軽減につなげる研究が進められている=小城市芦刈町の県有明水産振興センター

 佐賀県有明水産振興センター(小城市)は、ノリの色落ち被害をもたらす植物プランクトン「ユーカンピア」の発生を予測する研究を進めている。細胞サイズの周期性を発見し、増殖時期を推察する「予察式」を構築。ノリ漁期前に一定程度の発生予測ができるようになった。近い将来、ノリ冷凍網の張り込みや摘み取り時期の検討に役立て、被害の軽減につなげていく。

 ユーカンピアは大型ケイ藻で、窒素やリンなど海の栄養分を大量に消費する。1ミリリットル当たり100細胞を超えるとノリの生育に必要な栄養塩が一気に減り始め、400細胞を超えると赤潮になるという。

 1~2月に増え始めることが多く、冷凍網の漁期に重なる。1度発生すれば収束しにくく、近年大量発生した2013年度は、冷凍網ノリの生産枚数が平年より約2億5千万枚減少している。

 同センターでノリの研究を担当する三根崇幸係長は「自然の増殖を止めるのは難しいが、赤潮がいつ発生するか分かれば対策ができる」と話す。数年前から本格的に進めてきた研究では、過去にさかのぼってユーカンピアのサンプルを調べる中で、細胞サイズが変化する周期性を発見。100細胞を超えるまでの日数を推察する予察式の構築に成功した。

 夏季までのデータを基に、ノリ漁期が始まる9月末までに増殖時期を推定。その後、12月ごろまでその年の海況を確認して誤差を補正し、確定させる。研究を重ねて補正の精度を上げている。今後は漁協の運営委員長・支所長会議で情報を提供し、冷凍網の張り込み時期などを決める判断材料にしてもらう方針。

 同センターによると、ユーカンピアの発生には周期があり、15、16年度は確認されていない。三根係長は「赤潮の原因はさまざまだが、ユーカンピアは出てしまったら手が付けられない。スケジュール管理で被害が軽減できるようになれば」と話す。

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