学校法人「森友学園」の小学校建設が進む取得用地(左)。右は豊中市が公園用地として購入した国有地=18日午後、大阪府豊中市(共同通信社ヘリから)

■野党追及「国がただで手放した」

 大阪府豊中市の国有地が、学校法人「森友学園」(大阪市)に評価額の14%の値段で売却された。この問題で、不透明な経緯が次々と浮かび上がっている。売却額の安さや、ごみ撤去費の算定などに謎が深まり、野党が国会で追及する事態に発展。学園が取得用地に4月新設する小学校の名誉校長は安倍晋三首相の妻昭恵さんが務めており、安倍首相は小学校認可や払い下げへの関与があれば「首相も国会議員も辞める」と強調した。

 森友学園の取得用地は8770平方メートル。上空が大阪空港(兵庫県伊丹市)への飛行ルートに当たり、国土交通省大阪航空局が騒音対策のため保有していた。

▼隣接地は14億円

 学園側と売却交渉した財務省近畿財務局は2015年5月、購入するまとまった資金が用意できないとする学園側と、学校建設としては異例の10年間の定期借地契約を締結。その後、校舎建設工事が始まった。

 浅い土中にヒ素や鉛の土壌汚染、廃材やコンクリート片などのごみがあることが分かり、国に代わり土壌を入れ替えるなどした対価として、先に国から学園側に1億3100万円が支払われた。

 16年3月、学園側が土地の深い地点で新たなごみが見つかったと申告、財務局側も確認した。学園側はその後、土地購入の意思を示し、土壌対策費とほぼ同額の1億3400万円で売却契約が結ばれた。

 「国がただで手放したのでは」。今月15日の衆院財務金融委員会で共産党の宮本岳志議員の追及に、財務省の担当者は「工事積算に基づき、適切に処理された」と反論した。

 不動産鑑定士による更地の評価額は9億5600万円。大阪航空局は深い土中のごみ撤去費用などを8億2200万円と見積もり、その額を差し引いて売却した。

 学園の取得用地の隣にある同規模の国有地9492平方メートルは、豊中市が10年に公園用地として14億2300万円で購入していた。

 国は当初、学園側の意向を受けて売却額を開示していなかったが、野党の追及が強まった今月になって一転、開示した。

▼「便宜ない」

 森友学園の籠池(かごいけ)泰典理事長は共同通信の取材に「何の便宜も図ってもらっていない。公明正大に行っている」と説明。ごみの撤去にかかった費用は「数千万円ではきかない」とし、1億円は超えるとの見解を示した。だが国は、学園が撤去費として実際に負担した額は把握していない。

 学園が運営する幼稚園は戦前の教育勅語を園児に暗唱させることで知られる。17日の衆院予算委員会では、同学園が「安倍晋三記念小学校」の触れ込みで、校舎建設の寄付金を募っていたことも明らかになった。安倍首相は「初めて知った」と語気を強めて否定した。【共同】

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