屋敷の南にまつられているお堂

南面で屋根は鍵型の夏秋家=佐賀市本庄町末次八田

■明治初期、高い屋根特徴

 八田は佐賀城の南に位置する堀の多い水田地帯で、かなり規模の大きな集落を形成しています。文化14(1817)年の郷村帖に、八田の集落が記されています。この地域は水ケ江龍造寺家の流れをくむ多久家の所領だったのが、慶長16(1611)年に本藩の蔵入地になりました。

 八田江の西側に位置する夏秋家は、当主によると、明治初期に建てられたと伝えられ、近年麦わらが傷んだためトタンぶきに替えられました。屋根の高さが非常に高いのが特徴です。

 間取りは12畳の座敷や8畳間、6畳間、床張りなど多くの部屋を有しています。屋敷南の空き地には屋根付きのお堂が建てられています。中には稲荷大明神、天満宮、中央神などがまつられ、風情をそそる光景を見ることができました。毎年1月15日には神官により祭事も行われます。先祖が築いた歴史を物語る民家は二度と造られるものではありません。この素晴らしい家を大切に保存されることを念じつつ帰路につきました。

(北原学)

このエントリーをはてなブックマークに追加