今村雅弘復興相

 今村雅弘復興相(70)=衆院比例九州、当選7回=は25日、辞任する意向を固めた。同日の自民党二階派パーティーで東日本大震災の被害に関し「まだ東北で良かった」と、被災者を傷つける発言をしたことの責任を取った。4日にも震災を巡り問題発言をしたばかりで、事実上の更迭となる。安倍晋三首相は今回の発言について陳謝したが、政権に大きな打撃。後任には自民党の吉野正芳衆院議員(福島5区)を起用する方向で調整している。野党は首相の任命責任を追及する方針だ。

 閣僚辞任は昨年1月の甘利明経済再生担当相以来で、同8月発足の第3次安倍再改造内閣では初。後任の復興相の認証式は26日に行われる。

 今村氏は東京都内で開かれたパーティーで震災に関し「社会資本などの毀損(きそん)もいろんな勘定の仕方があるが、25兆円という数字もある。これがまだ東北で、あっちの方だったから良かったけど、これがもっと首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な被害があったと思っている」と語った。4日には、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者の帰還について「本人の責任」と述べて批判を浴びた。

 今村氏は25日の発言後、記者団に「取り消させていただく。ご心配を掛けたことを改めておわび申し上げる」とし、撤回して謝罪。再度、記者団の取材に応じ、辞任する考えはあるかと問われ「そこまで、まだ及んでいない」と否定したが、与党内からも「言語道断だ。出処進退は政治家として決断されるべきだ」(大口善徳公明党国対委員長)との辞任論が出た。今村氏は二階俊博自民党幹事長らに辞意を伝えた。同じパーティーに出席した首相は、今村氏の発言について「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があった。首相としておわびさせていただきたい」と陳謝した。

 今村氏は二階派に所属。旧国鉄職員を経て1996年に初当選。昨年、初入閣した。

 自主避難巡る今村氏発言 今村雅弘復興相は今月4日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故の自主避難者が帰還するかどうかは「本人の責任」と発言。「(不服なら)裁判でも何でもやればいい」とも述べ、国の責任をただしたフリー記者に「うるさい」などの暴言を浴びせた。同日中に「感情的になった」と暴言を謝罪。「本人の責任」発言については6日の国会答弁で「言葉の使い方が良くなかった」と陳謝し、7日の記者会見で発言を撤回した。安倍晋三首相も8日、視察先の福島県で謝罪した。

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