佐賀県は、児童虐待の相談が増加していることから、県中央児童相談所に加え、これまで分室を設けていた唐津市に、新たに「北部児童相談所(仮称)」を設置する方針を決めた。2018年10月をめどに、改築中の唐津保健福祉事務所内に開設する。

 県内の児童虐待の対応件数は全国の傾向と同様に増え、06年度の114件から15年度には237件と10年間で倍増している。

 主たる虐待者のうち半数が実母、次いで実父が多いという傾向が続き、15年度の虐待は、ネグレクト(育児放棄)が92件、身体的虐待が81件、心理的虐待が48件、性的虐待が16件。ネグレクトが前年度の44件から倍以上に増えている。増加する相談に対応するため、体制の充実や強化が課題となっていた。

 県こども家庭課によると、これまでの分室(1963年設置)には児童福祉司2人を配置して対応してきたが、意思決定をする所長がおらず、迅速な決定が難しかった。また、児童心理士も配置がないため、子どもの専門的な心理ケアが十分ではなかった。

 北部児童相談所の管轄は唐津市、伊万里市、玄海町、有田町を予定し、一時保護など保護機能は想定していない。職員体制は、所長、児童福祉司、児童心理士、保健師など専門的な職員を配置し、全体で10数人程度の規模となる見通し。今後、役割や機能など詳細を詰める。

 6月議会一般質問で、山口祥義知事は「細やかな対応を必要とする親子を支援していく、『寄り添う子育て』も大切なキーワード。児相の設置はまだまだスタート」と力を込めた。

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