控訴断念について「残念」と述べ、今後の国の考え方について確認する意向を示した佐賀県有明海漁協の田上卓治専務理事=佐賀市の漁協本所

 長崎地裁判決を受け、国に対して控訴するよう申し入れていた佐賀県有明海漁協。国の控訴見送りに田上卓治専務理事は「内心『やっぱりか』という気持ちはあるけれど、残念な思いが強い」と悔しさをにじませた。農相が開門しない方針を明確にし、基金による和解を目指す意向を示したことには「自分たちが望んでいた方向と全く違う」と警戒、5月2日に福岡、熊本漁連と諫干対策委員会を開き、農水省に説明を求める考えを明らかにした。

 国と営農者が争った訴訟について、田上専務理事は「漁業被害をまったく主張せずに単なる農地への影響があるなしだけだった。負けるべくして負けた」と国の姿勢を疑問視した。「(開門を命じた)福岡の確定判決がある限り、国として守るべき責任が間違いなくある。国が一度判断した内容を全く違う立場で覆すという考え方が理解できない」と語気を強めた。

 ただ、和解協議の際に国が提示した100億円の基金案を巡り、拒否を貫いた佐賀に対し、福岡、熊本が賛成し、漁業団体間の足並みが乱れた経緯がある。田上専務理事は「対策委員会では各県個別の話を聞く形ではなく、統一した対応をしていく」と強調し、「国の今後の進め方、考え方をもう一度洗いざらい再確認したい」と述べた。

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