川で溺れた子ども2人を救った中尾ハナさんをたたえ、学校の一角には石碑が建てられている=唐津市の唐津西高

■女学生の勇気語り継ぐ

 唐津西高の玄関脇には、「愛と勇気」の文字とともに、女性の顔のレリーフを埋め込んだ石碑がある。自らの命の危険を顧みず、川で溺れた子どもを助けた唐津高女(現唐津西高)の女学生・中尾ハナさんをたたえる記念碑だ。

 1931年8月1日、松浦川で遊んでいたハナさんは鬼塚小の児童2人が溺れているのを見つけ、川に飛び込んだ。2人を何とか岸に押し出したものの、そこで力尽き、17歳の短い人生を終えた。

 もう86年も前の話だが、同校では毎年「ハナコフェア」と題して命を考える講演会を開き、ハナさんを顕彰し続けている。また、鬼塚小で開かれている「ハナ子祭り」にも生徒会役員が参加し、子どもらに自分たちの言葉でハナさんの功績を紹介している。

 3年の井上陽菜乃生徒会長は「自分が危険にさらされながらも人を助けるのは勇気がいること。強い心を持った人だったと思う」と思いをはせる。レリーフに刻まれたハナさんの優しい顔は、今も子どもたちの安全を見守っているように見える。

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