キリンビールの「零ICHI」を紹介する布施孝之社長=2月、東京都千代田区

■新商品やリニューアル

 ビール大手各社がノンアルコールビールの新商品の発売やリニューアルに再び力を入れ、火花を散らしている。改正酒税法の施行に伴い値上げの逆風が吹くビールに対し、酒税法とは関係ないノンアルコールのビールは一定の需要を見込めるためだ。このところ市場規模や各社のシェアに大きな変化はなかったが、今年の盛夏は熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 キリンビールはこれまでの「キリンフリー」に加えて、4月に新しいブランド「零ICHI(ゼロイチ)」を発売した。6月上旬の時点で年間販売目標の5割を達成し、当初計画から3倍の増産を決めた。

 一方、サントリービールは仕込み工程を見直し、喉ごしの軽快さを高めた新しい「オールフリー」を5月中旬に発売した。氷を入れて飲む新しい飲み方も提案する。アサヒビールは「ドライゼロ」の中でもカロリーや糖質、プリン体がゼロのタイプを1月に刷新し、人工甘味料もゼロにした。

 ノンアルコールビールは2009年にキリンが業界で初めて、アルコール度数ゼロのビールを発売し、飲酒運転による交通事故が問題となる中、ヒット商品となった。ここ数年、市場シェアは首位のドライゼロとオールフリーが40%前後で拮抗(きっこう)し、他社の参入で存在感が薄れたキリンフリーは10%強と後れを取る。

 「零ICHI」の好調を追い風に、20年にシェア30%を掲げるキリンの布施孝之社長は「資源を集中させ、本気で首位奪還を目指す」と意気込む。【共同】

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