■30年間で820億円支出超過

 全国の自治体で人口減少による財政悪化が見込まれる中、佐賀市は公共施設の維持費が財政を圧迫するとの予測を明らかにした。試算では、公共施設の建て替えや補修、維持管理で、今後30年間の支出超過は累計約820億円に上り、年度によっては財源の1・5倍超の支出になる。維持管理費を抑制するため、統廃合や民間移譲も視野に施設の1割減を目安とする管理計画を年度内にまとめる。

 市は庁舎や学校、公民館、保健センター、市営住宅、文化施設など建築系477施設を保有している。

 試算は、過去3年間の実績から年間172億円の財源を確保できると仮定した。施設は築60年で立て替え、改修・修繕は部位や設備ごとに周期設定し、維持管理費は毎年発生する設定。

 この条件で計算した結果、30年間の財源確保可能額5179億円に対し、道路や上下水道などインフラを含む支出総額は5999億円だった。2025年度までは財源確保は可能だったものの、小中学校や市営住宅の建て替えが集中する26~28、38年度は財源確保額172億円の1・5倍を上回る。支出が最大となる38年度は約302億円と予測した。

 試算結果を踏まえ、将来の人口減を考慮して施設数の適正化を進める。市は人口が15年の23万6千人から30年後の45年には20万9千人に減ると展望、施設総量(総床面積)の1割減を適正配置の目安にする。インフラ関連は現状を維持する。

 施設の特性や利用実態を基に、統廃合や移転集約、民間移譲も視野に入れる。予防保全、改修で施設の建て替え時期を約20年延伸する「長寿命化」にも取り組む。計画通りに進めば、支出総額は1134億円減の4864億円となり、計算上は財源内に収まる。試算は、人口減に伴う税収減の影響を加味しておらず、市が実施している人口減対策に効果があったことを前提としている。

 市行政経営課は「理想的な条件で試算しており、今後の財政状況によって変動する可能性がある」とした上で、「人口や財政状況と住民サービスを考慮しながら、最適な配置を考える必要がある」と理解を求める。

 市は、適正化の基本方針を盛り込んだ公共施設等総合管理計画案について3月14日までパブリックコメント(意見公募)を実施する。新年度は具体的な実施計画を作る。公共施設の維持管理は全国的な課題となっており、総務省が14年4月に全自治体に計画策定を要請していた。

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