女子57㌔級2回戦 エジプト選手(右)と対戦する濱田真由=リオデジャネイロ(共同)

 2階級が行われ、女子57キロ級は昨年の世界選手権覇者の22歳、濱田真由(佐賀県佐賀市川副町、ミキハウス)が2回戦でワフバ(エジプト)に延長で優勢負けを喫した。敗者復活戦にも回れず、9位に終わった。

 ジョーンズ(英国)がカルボゴメス(スペイン)に優勢勝ちし、2連覇を果たした。男子68キロ級はアブガシュ(ヨルダン)が優勝。日本は男女を通じ、濱田しか出場していない。

【リオの遠い空】〈2回戦敗退9位 「もう少し試合したかった」〉

 テコンドー女子57キロ級の世界女王、22歳の濱田真由(ミキハウス)は2回戦、延長でワフバのかかと落としを頭部に受けて敗れ「金メダルを目指していたので…」とぼうぜんと言葉を絞り出した。

 0-0のまま3ラウンドが終了。「リスクを計算して、あまり攻めないようにしていた」と想定通りロースコアの展開に持ち込んだ。だが、延長で互いに接近し、蹴り合いになった瞬間だけ「得点を意識して頭のガードを忘れていた」。蹴りで上段を狙った際に隙が生じ、その上から相手の脚が飛んできた。敗者復活戦にも回れず9位に沈んだ。日本勢初の金メダル、2000年シドニー五輪銅の岡本依子以来2人目の表彰台どころか、入賞さえ逃し「もう少し試合がしたかった」と寂しげにつぶやいた。

 昨年5月に日本勢として初めて世界選手権を制し一躍、脚光を浴びた。だが、その後に衝撃への反応が鈍くなったとされる新たな電子防具が導入され、世界の潮流は「格闘技性、アグレッシブさが強まった」(古賀剛コーチ)。細かな蹴りの「カット」が得意技の濱田は対応に苦心し、昨年12月の世界上位8選手によるグランプリ・ファイナルや4月のアジア選手権では初戦敗退を喫した。

 5位入賞したロンドン五輪後は一層の飛躍を期し、守備を重視してきた。闘い方に変化を余儀なくされていたにもかかわらず、五輪でも慎重に闘うあまり手数が少なくなるなど、攻撃的なスタイルに変えるには時間が足りなかったことをうかがわせた。「リスクを計算して攻めにいかなかったが、もう少し勝負にいけた」と消極性を反省するしかなかった。

 親戚に選手がいた影響で進路にボートレーサーを考えていた中学2年の時、テコンドーに熱心な父が旅費を借金してまで東京の大会へ。そこで地元佐賀で道場を開こうとしていた古賀コーチと出会う。素質を見抜いた古賀コーチに家族が説得され、世界一にまで上り詰めた。

 今大会は男女を通じ、ただ一人の日本代表だった。活躍することで競技の認知度を上げたかっただけに「テコンドーを知ってもらうには五輪という舞台しかない。東京で金メダルを取りたい」と4年後へ雪辱を期した。

〈圧倒的な攻撃力〉

 ○…テコンドー女子57キロ級はジョーンズが圧倒的な攻撃力で制した。英国旗を掲げて場内を1周し「23歳で2度目の五輪チャンピオンになるという伝説になりたかった」と歓喜に酔いしれた。

 決勝は第2ラウンドまでもつれたものの攻撃の手を緩めず、結局16-7で完勝した。1日6時間の練習をこなしたそうで「ハードワークのたまもの」と誇らしげだった。

 ▽女子57キロ級1回戦

濱田真由(ミキハウス)/優 勢/ベンアリ(チュニジア)

 ▽同2回戦

ワフバ(エジプト)/優 勢(延長)/濱田真由(ミキハウス)

 ▽同3位決定戦

ワフバ(エジプト)/優 勢(延長)/アセマニ(ベルギー)

アリザデゼヌリン(イラン)/優 勢/グラスノビッチ(スウェーデン)

 ▽同決勝

ジョーンズ(英 国)/優 勢/カルボゴメス(スペイン)

 ▽男子68キロ級3位決定戦

ゴンサレス(スペイン)/優 勢/コントレラス(ベネズエラ)

李大勲(韓 国)/優 勢/アクハブ(ベルギー)

 ▽男子68キロ級決勝

アブガシュ(ヨルダン)/優 勢/デニセンコ(ロシア)

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