■治療で早く治るデータも

 小児夜尿症は小児医療の中でも管理が難しい病気のひとつといわれています。困っているお子さんは多いにもかかわらず、教科書通りの治療を行ってもなかなかうまくいかないこともあります。明らかに薬で改善する場合もありますが、水分の取り方、食事や生活習慣の見直しが必要だったり、家庭環境が影響を与えることもあります。

 そのような中でこの6月、12年ぶりに夜尿症診療ガイドラインが改訂されました。新しいガイドラインでは、2014年に国際小児尿禁制学会が提唱した「5歳以降で1カ月に1回以上の夜尿が3カ月以上続くもの」と定義しています。そして、まずかかりつけ医などで相談し、生活指導、排尿訓練、排便習慣に対する見直しを行ったのち、お薬の治療やアラーム療法などを行い、効果がないときは専門医へ相談するという大まかな方針が示されています。

 夜尿症は小学校入学直前で約20%、小中学生で約6.4%とされ、小児においてはアレルギーの次に多い病気と位置づけられています。夜尿症の子どもさんでは、年間に1、2割が自然に治っていきますが、治療をすると1年で半分くらいの方が治り、自然に治るのを待つよりも2年以上早く治るというデータが出てきています。

 病院を受診される方はお薬での治療を希望されてのことが多く、宿泊訓練や合宿、修学旅行などがあるからなんとかしたいと言われることもままあります。しかし、お薬の効果が期待できるかを判断するのと、薬の量の調節のため、少なくとも6週間前から調整をすべきであると記載されています。

 たまに「今週末に間に合わせて!」と言われることもありますが、前もって受診しておき、行事の際にどのように対処するか対策を練るにはそれなりの時間が必要であることを知っておいていただければと思います。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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