辞表を提出した後、発言を謝罪する今村雅弘氏=26日午前、首相官邸

 今村雅弘復興相(70)=衆院比例九州、当選7回=は26日、東日本大震災の被害に関し「まだ東北で良かった」と発言した責任を取り、辞任した。事実上の更迭。安倍晋三首相は後任に、自民党の吉野正芳氏(68)=福島5区、当選6回=を起用した。民進党など野党4党は首相の任命責任と政権の「緩み」を追及する方針を決めた。首相は「任命責任は私にある」と失言を陳謝。政権運営の立て直しを図るが、後半国会への影響は必至だ。

 自民、民進両党は首相が出席する予算委員会の集中審議を衆参両院で開くと合意。衆院は5月8日で決まり、参院は9日をめどに調整する。衆参の震災復興特別委員会は27日にそれぞれ吉野氏の所信を聴取する。所信聴取後に国会は正常化する方向だ。

 自民党の二階俊博幹事長が講演で今村氏発言に関するメディアの対応を「一行でも悪いところがあれば、首を取れと。なんということか」と批判。野党は「政権のおごり」と批判を強めている。

 今村氏の辞表を受理した後、首相は官邸で記者団に「首相として改めて被災地の皆さまに深くおわびを申し上げる。復興は安倍内閣の最重要課題だ」と述べた。さらに「(政権に)緩みがあるとの指摘を真摯(しんし)に受け止めなければならない」とした。今村氏も記者団に発言を謝罪。議員辞職は否定した。

 後任の吉野氏は26日午前、皇居での認証式を終えて正式就任した。福島県議を経て、2000年に初当選し、環境副大臣などを歴任。細田派に所属する。衆院震災復興特別委員長を務めていた。

 民進党の蓮舫代表は党会合で今村氏について「辞めて済む話ではない」と強調。共産党の小池晃書記局長は記者会見で「議員辞職に相当する発言だ」とした。民進、共産、自由、社民の野党4党は幹事長・書記局長会談を開き、首相責任をただすことを確認した。

 閣僚辞任は、12年12月の第2次安倍内閣発足以降、5人目。昨年8月にスタートした第3次安倍再改造内閣では初めてとなる。

 今村氏は25日、東京都内で開かれたパーティーでの講演で、震災で受けた被害額に触れ「これがまだ東北で、あっちの方だったから良かったけど、もっと首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な被害があったと思っている」と述べた。4日には東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者の帰還は「本人の責任」と発言し批判されていた。【共同】

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