企業売り込み必死、高校と情報交換会

■求人倍率1.46倍、4年連続最高

 来春卒業予定の高校生の採用活動が16日に解禁され、佐賀県内では連休明けの19日から企業の採用試験が本格化する。全国的に人手不足が深刻化する中、県内各校には大量の求人票が届き、人材獲得競争は過熱。県内企業からは、都市部や大手企業への人材流出に危機感が広がっている。

 来春に高卒16人の採用を予定している松尾建設(佐賀市)。採用試験の応募者数は前年並みで、県内を中心に九州4県から応募があるという。

 景気低迷などで雇用環境が悪化した際も採用を継続するなど「高校とのつながりを大切にしてきた」と担当者。ただ、学生優位の売り手市場が続いており「九州に残りたいという学生にアピールしていきたい」と気を引き締める。

 県内のハローワークが7月末までに受け付けた高卒予定者の求人数は、前年同期比22・9%増の3710人。求人倍率は前年同期を0・3ポイント上回る1・46倍で、4年連続で過去最高を更新している。

 県中部の進路担当教諭は「うちは商業高校なのに、工業系の企業からの求人が目立ってきた」と最近の傾向を説明する。就職希望者約120人に対し、同校に届いた求人票は大手メーカーを含め千社を超える。「入社後に一から技術を学ばせるという企業もある。大手といえども人手不足はかなり深刻なようだ」と指摘する。

 同校では、就職希望者の7割が県内企業を志望しているが、企業名や給与水準で就職先を選ぶ生徒も多い。「自宅から通えない場合、会社の寮はあるか、志望地域の家賃はどの程度かなど具体的に試算するよう指導している」と話す。

 佐賀労働局によると、2017年3月末の県内高卒者の就職内定率は、過去最高の99・4%。就職環境が改善する一方で、このうち県外企業に内定した高校生は41・5%に上る。

 県東部の金属加工メーカーは例年、10人以上の応募があったが、今年は1人にとどまっている。「仕事のやりがいよりも、有給が取れるかとか福利厚生を重視する傾向が強く、大手には太刀打ちできない」と話し、「うちもそうだが、外国人労働者の採用を真剣に考え始めている企業は多い」と実情を打ち明ける。

【写真】5月にあった企業と高校の進路担当の教諭の面談会。多くの企業の担当者が列を作った=佐賀市文化会館

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