細田政務官(右)に抗議文を手渡す副島良彦副知事=東京・霞が関の農林水産省

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を求める佐賀県や県有明海漁協は26日、開門差し止めを命じた長崎地裁判決を控訴せず受け入れた山本有二農相への抗議文を、細田健一政務官に手渡した。「地元の思いを切り裂くような判断で、佐賀県では政府への不信感が広がっている」と厳しく訴えた。

 抗議文は、開門を命じた2010年の福岡高裁判決を国自ら確定させた経緯に触れ、「控訴は当然であり、農相が進んで矛盾した状況に追い込むことは極めて理解に苦しむ」と批判、国の判断について「有明海再生、漁業振興を願う漁業者を思うと、受け入れられず、地元佐賀県として断固抗議する」とした。

 副島良彦副知事や秀島敏行佐賀市長、漁協幹部、県選出国会議員らが農林水産省を訪れた。抗議文を受け取る際、通常の要望活動同様に報道陣のカメラに目線を向けようとした細田政務官に、副島副知事が「抗議ですから」と拒否する緊迫した場面があった。

 非公開の会談後、取材に応じた副島副知事は、国が開門に代わる100億円の基金案で和解を探ろうとしていることに関し、「開門調査をして有明海再生につなげることを願っているのであって、金を願っているのではない」と強調した。

 細田政務官は「ただちに判断が変わることはないと思うが、佐賀県の思いを農相に伝える」と応じたという。

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