「孫に寝物語で聞かせた話を童話として完成させたい」と今後の目標を語る松尾さん=鳥栖市の自宅

 鳥栖市の松尾幸子さん(72)がエッセーコンテスト「第7回言の葉大賞」で入賞した。銀行でのやり取りから、日常の小さな幸せが人生のよりどころになるという気付きをつづっている。松尾さんは「力試しと思って応募したが、思いがけないうれしい知らせ」と顔をほころばせる。

 コンテストは一般社団法人「言の葉協会」が主催し、今回は「生きぬく力を感じた瞬間(とき)」がテーマで、小学生から一般まで1万4587点の応募があった。最優秀賞13点を含む177点が入賞に選ばれ、34校が学校賞に輝いた。

 松尾さんのエッセーのタイトルは「ささやかな幸せ」。昨年8月、銀行の窓口で順番待ちをしていた年配の女性から「年金受給日に窓口で下ろすと粗品がもらえる」と話しかけられた。松尾さんも実際に菓子をもらい、思わず笑顔に。独り暮らしの境遇では「銀行で出会う人との会話やチョッとした頂き物が殊のほか嬉(うれ)しいのだ」と共感を覚え、「誰もが孤独と不安の中で懸命に生きているのだ。日々のちょっとした出来事を心の寄りどころにしながら…」と結んでいる。

 25年ほど前から新聞の読者投稿欄などに応募を続け、「柔らかく誰でも分かる表現で、ほっこりしたり、クスッとなる文章を心がけている」。

 今後は童話にも挑戦する予定。「小さい頃の夢が絵本作家だった。孫に寝物語で聞かせていた話を完成させたい」。旺盛な執筆意欲は衰えず、新しい物語を紡いでいく。

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