国営諫早湾干拓事業の第14回和解協議が24日、長崎地裁で開かれ、松葉佐隆之裁判長は開門阻止派の営農者側に対し、基金案を拡充する和解勧告と並行して、開門派の漁業者側が提案していた開門を含めた議論の是非を検討するよう指示した。新たな枠組みの可能性を探ることで決裂を回避した形だったが、営農者側は即日拒否した。和解協議の継続は再び困難な見通しとなった。

 協議は非公開。地裁は漁業者側には、営農者側が開門を含めた議論を検討することを条件に、新勧告に基づく協議継続を注文、国に対しても基金案と開門議論の並行協議を打診した。次回協議の3月27日の前に回答するよう求めた。

 終了後、裁判所の指示について漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「かろうじて要求を受け入れてもらった」と一定評価した。農水省農地資源課の横井績課長は「勧告に基づいた和解成立を最も期待している」とした上で、「和解への道は険しいが、国として三者が納得できる形での解決に向け努力したい」と述べた。

 営農者側は持ち帰った上で、「開門を前提とした協議には応じられない」とする意見書を地裁に提出した。意見書では、開門しない前提で和解協議に応じてきた当初の立場を説明し、開門の議論をすることは「和解勧告が拒否されたものと同じ」と指摘した。

 長崎地裁は1月27日、国が示した総額100億円の基金案に、国が漁業者側に支払っている制裁金などを組み入れて増額する形で和解を勧告し、諾否の回答を求めていた。国と営農者側が受け入れ、漁業者側は拒否を伝えた。

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