プレミアムフライデーに合わせた午後4時の特別セールでにぎわう衣料品売り場。早帰りの会社員らの姿は見られなかった=佐賀市のイオン佐賀大和店

 月末の金曜日を「プレミアムフライデー(プレ金)」と呼び、官民一体で働き方や終業後の過ごし方を変える取り組みが24日、始まった。初回のこの日は消費喚起を狙うイベントが相次いだが、早帰りや休暇取得の推奨など特別な対応をしたのは大企業を中心に一部にとどまった。日本経済の成長の起爆剤として来月以降、どれだけ定着していくかが焦点となる。

 全社員約5万人に参加を呼び掛けた第一生命ホールディングスの本社では午後3時、総合審査部の約40人が一斉にオフィスを後にした。1階玄関は退社する人が相次ぎ、有志で集まり皇居周辺のランニングへ行く人も。男性社員は「賛否両論あるが、時間を決めて働けば効率が上がると思う」と話した。

 サントリーホールディングスや日産自動車も工場などの生産現場を除いて午後3時で仕事を終えるよう促し、住友商事やユニ・チャームは休暇取得も奨励した。森永製菓は早く帰るために会議などを別の日に変更した。

 経済産業省によると、プレ金に参加できるよう終業繰り上げなどの対応をした企業は120社程度とみられる。 キリンビールは、本社ビルのオーナーである東京建物の社員を対象にクラフトビールの出張セミナーを開き、約30人が参加した。女性社員は「平日の明るいうちから飲むお酒は新鮮だ」とうれしそうだった。

 ただ客を迎える側では「準備を含め、いつもの週末より忙しい」(百貨店従業員)との声が上がった。平日に交代で休むなど一段と工夫が求められそうだ。

■県内の小売店は変化なく 売り場特設も大半主婦

 毎月末の金曜日に早期帰宅を促す「プレミアムフライデー」がスタートした24日、佐賀県内でも商機とみる小売店などが誘客にしのぎを削った。ただ、終業時間を早める地場企業はほとんどなく、夕方になっても来店客は普段の主婦層が大半。政府主導の消費喚起策は静かな船出になった。

 午後4時から子ども服や家電製品の特売会を開いたイオン佐賀大和店(佐賀市)。売り場はにぎわいを見せたものの、早帰りのビジネスマンやOLの姿はなく、子ども連れの主婦やお年寄りが半額の肌着などを買い求めていた。

 夫が福岡市の建設会社で働く30代の女性客は「(夫の)帰りはいつも通り」と話した。交代勤務で「たまたま休みだった」という食品メーカーの男性(37)は「自分たちには関係ない」と冷ややかだった。

 県内で終業時間を繰り上げたのは、大手企業の支社や支店などごく一部だった。顧客への対応などから積極的な取り組みはほとんど見られず、「人手不足で検討さえできない」(建設業)という声も漏れた。

 県や佐賀市は有給休暇の積極取得を全職員に呼び掛けたが、年度末の繁忙期に定例議会への対応も重なり、浸透はいまひとつ。市の担当者は「労務管理の徹底を促す人事課でさえ、取り組みは難しい」とこぼした。

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