灯油を求める買い物客。店頭小売り価格は過去10年で最も安くなっている=佐賀市のディスカウント店

 師走を迎えて寒さが本格化する中、灯油の店頭小売価格が過去10年で最も安くなっている。佐賀県内の18リットル当たりの平均価格(5日現在)は前年同期比105円安の1295円。最も高かった2014年と比べると約600円安く、消費者からは安どの声も漏れる。ただ、石油輸出国機構(OPEC)などの減産合意の影響などもあり、今後については価格上昇に警戒する必要がありそうだ。

 「工場と自宅の暖房用に18リットル容器5個分を買った。数年前と比べると随分安く助かっている」。佐賀市内で工務店を営む60代男性は安値傾向を歓迎、ディスカウント店でまとめ買いすることが多いという。

 灯油の価格は原油の流通量や為替相場などに影響される。夏場からの安値傾向は、中国経済の成長鈍化やシェールガス台頭による世界的な“石油余り”による原油価格下落の影響が大きいとみられる。

 ことしは10月、11月と気温が高く、灯油の販売量自体伸びていなかったが、12月に入って寒さが本格化。県石油商業組合は「毎年需要期に価格は上昇。商戦はこれからが本番」と語る。

 佐賀市内のディスカウント店は今月に入って18リットル当たりの価格を約100円上げており、スタンド各店も値上げ基調という。

 過去10年でみると、元売り各社の灯油の在庫量は最低水準で推移。関東や東北に例年より寒波が早く押し寄せ、品薄傾向になっている。同組合は年明け以降について「円安やOPECの減産合意など世界情勢の余波もあり、価格上昇に拍車がかかる可能性もある」と話している。

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